薄毛の相談
4週間で目立たなくなった!
いきなり、インパクトの強い写真からご紹介しましたが、これは、タイのバンコクにあるサミティベート病院 皮膚科において15名の薄毛男性で行った試験結果の一部です。今日は、我々男性にとっては朗報の、薄毛に関するアスタキサンチンの研究報告をご紹介します。
今日は、最近頭頂部が気になる薄毛の友人、幸一くんを連れてきました。この研究の話をしたらぜひ聞きたいといったので。
最近、毛の量が少なくなってきたなーと感じるんです。最初は、シャンプーの時に抜け毛が多いな、とか、起きたら枕に毛がついているということがあったのですが、気のせいだとおもっていたんです。ただ先日、出張でホテルの大浴場に入った時、大きな鏡に頭のてっぺんが写ってびっくりしたのです。地肌の色が見えているというか、額が広くなったというか。
なるほど。我々男性にとっては本当に深刻な悩みですよね。男性型脱毛症(AGA)は、「病気」というよりは人体の自然現象といわれていますが、やっぱり見た目に大きく作用するものですから、特に若い方は悩みますよね。
たしかに、同窓会に行った時も、男性を見て一番変化を感じるのは頭髪かも…
そうなんです。僕も最近までは、同期のやつらをからかっていたのですが… こないだ自分の頭を見てからは周りから僕もそう思われているんじゃないかと心配で。
博士!最近、AGAに対して抗酸化成分でのケアが着目されているんですよね。
トコトリさんのおっしゃるとおり。それでは、研究結果を見てみましょう。
どうぞよろしくお願いします。
AGAってどういうもの?
博士、そもそもAGAとはどういうものなのですか?
AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で「男性型脱毛症」のことです。原因は様々ですが、男性ホルモンの影響が強いといわれています。 毛周期(ヘアサイクル)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?下の図のように一つの毛穴から新しい毛が生まれて、だんだん太く、長く育つ「成長期」(約2年~6年)、成長が低下する「退行期」(約2週間)、さらに成長が止まって抜け落ちる「休止期」(約3~4ヵ月)という3つの状態を繰り返すことを毛周期(ヘアサイクル)といいます。この周期を40~50サイクル繰り返すと、毛髪は寿命を迎えます。 AGAになると、この毛周期の成長期が数か月から1年と、通常より極端に短くなってしまい、退行期、休止期を迎えて脱毛してしまいます。
ちょっと待ってください。寿命が40~50サイクルとのことでしたが、成長期が短くなってもこのサイクル数は同じなのですか?
残念ながらそうなんです。1サイクルが2年としても、40サイクルとしたら80歳まで毛が生えている計算になるのですが、1サイクルが1年になったら…
考えるのも恐ろしい。
なぜ成長期が短くなるのですか?
先にもお話したが男性ホルモン『テストステロン』が大きく影響しています。テストステロンは、『5α還元酵素(5αリダクターゼ)』という酵素によって、さらに強力な男性ホルモン『ジヒドロテストステロン(DHT)』に変換されます。
たくさんあったら男らしくなれそうですね。
たしかにそうですよね。ところがこのDHT、『成長期』の毛髪に作用して期間を短縮してしまうということがわかったんです。
え…ということは、男らしくなれば薄毛になるんですか。 薄毛の原因は、遺伝やストレス、血行不良や頭皮環境など、様々な原因があるといわれていますよね?
確かに原因は男性ホルモンだけではありません。ただ、毛が薄い部分にはとくにDHTが多いことがわかっており、男性ホルモンが原因である可能性は高いと考えられています。現在、AGA治療のために、内服、外用いずれも医薬品がありますが、特に内服成分は男性ホルモンに作用するので医師の診断が必要です。
男性ホルモンに作用?何か弊害はないのですか?
男性ホルモンが強力化してDHTにならないように、5αリダクターゼという酵素の働きを抑えるのです。人間本来の生理的な作用を抑えることになるので数%ですが精力が減退するという副作用として報告されていることもありますので、医師の処方のもとで内服しなければなりません。今回ご紹介アスタキサンチンは食品成分なのでその点は安心ですね。
研究結果を早く聞かせてください。
アスタキサンチンが薄毛に及ぼす影響
ノーウッドハミルトングレード(※1)Ⅱ~Ⅵの26歳から65歳(平均42±11.3歳)男性15名に、アスタキサンチン配合サプリメント(1日量アスタキサンチン12mg、他トコトリエノール、ビタミンC含有)と、アスタキサンチン配合頭皮ローションを12週間摂取、塗布してもらい、摂取前、途中(4週間)、後に、皮膚科医2名による目視診断、顕微鏡(Diino-Lite Polarized Microscope)撮影による毛髪検査(毛髪密度、太さ)を行いました。
※1:
AGA(男性型脱毛症)のパターンをI型からVII型まで、薄毛の進行度合いによって分類したもので、分類を行った医師ハミルトンとノーウッドの名前の頭文字をとってN-H分類と言われています。
生え際から後退していく「M型」と、頭頂部から薄毛になっていく「O型」に大きく区分され、現在も薄毛の進行度合いの目安として世界中で用いられています。
すごいですね。頭頂後部の量が増えているのは、特にわかりやすいですね。
12週間後の皮膚科医2名の診断では、15名中11名が改善(4名が中等度、7名が軽度)したという結果が得られました。
改善率73%!!それは期待大ですね。
また、頭頂部写真の下は、薄毛部分を拡大して撮影した顕微鏡写真になります。 同じ部位を撮影したことがわかるように、母斑やほくろなど不動点の周りを撮影しているんで すよ。毛髪の太さや密集度合いが見た目にも増えているのはわかりますね。特に毛髪の太さは、12週間の摂取塗布で有意に太くなっていました。
太くなっている、ということは、毛髪が成長しているということですよね?
成長中の毛を測定している結果になるので、その可能性が高いと思いますよ。
博士、これもアスタキサンチンの強力な抗酸化作用のおかげなのでしょうか。
抗酸化成分は最近の薄毛の対策にも非常に注目されていますよね。その中でも非常に強力なアスタキサンチンですから抗酸化作用も影響していると思いますが、他にも、第29回日本美容皮膚科学会総会・学術大会で発表された面白い研究結果があるのですよ。ご紹介しましょう。
アスタキサンチンが成長因子を増やす?
これはまた、衝撃的な写真ですね。
動物にもAGAはあるのですか?
AGAは確かにサルなどの動物にもありますが、ネズミにはさすがにないですね。薄毛対策には『生やす』作用と『抜けないようにする』作用が同時に発揮されるのが最も効果的ですよね。
なんだかアクセルとブレーキみたいですね。もちろん僕はどちらもほしいです。
『生やす』ために有名なのはやはり『血流を良くすること』ですよね。毛髪が育つのに必要な栄養分が血流が良くなると運ばれているんですよね。
そのとおりです。外用する医薬品成分(ミノキシジル)もその作用があるといわれています。運ばれる栄養の中でも毛髪に直接関わるものとして、インスリン様成長因子(Insulin-like Grouth Factor-Ⅰ:IGF-Ⅰ)があります。IGF‐Ⅰは、成長ホルモンが働くためになくてはならないもので、成長ホルモンと一緒に働いて、毛髪だけでなく、骨や筋肉、皮膚など身体の様々な細胞の成長に関与しているのですよ。このIGF-1はもちろん、『生やす』作用の方ですね。IGF-1は毛周期の『成長期』を延長させたり、毛髪の蛋白量を増加させたりします。
へーーー!それは興味がわきますね。
上の写真は、マウスを2つのグループに分けて、背中の毛を剃ってから、一方には2週間アスタキサンチンを与え、もう一方にはアスタキサンチンの代わりにごま油を与えました。 すると、結果は見ての通りで、アスタキサンチンを与えたグループでは、なんと全数が生えたのです。そして、この部分の皮膚では、IGF-1量が3倍以上に増加していることがわかったのです。
アスタキサンチンがIGF-1量を増やすんですか?
そうなんです。IGF-1は、知覚神経が刺激されると増えることがわかっているのですが、アスタキサンチンは知覚神経を有意に刺激していることが細胞試験によって確認されたのです。また、マウスの皮膚毛包細胞を調べてみると、アスタキサンチンを与えたマウスでは与えていないマウスに比べて、毛包のIGF-Ⅰと、細胞数が増殖していることが確認されました。
今日は、本当に勉強になりました。今日から早速アスタキサンチンを積極的に摂ろうと思います。
アスタキサンチンの抗酸化力を高めるトコトリエノールも、ぜひ一緒に摂ることをお勧めします。また、薄毛には亜鉛などのミネラルも必要になります。亜鉛は、毛髪の主成分であるタンパク質を合成するのに必要な成分ですし、強力な男性ホルモンDHTに変換させる5αリダクターゼの働きを阻害する働きもあるといわれています。
亜鉛は、男性には特に大事なミネラルと言われていますもんね。トコトリエノールと亜鉛、ですね。ぜひ気を付けてみます。
アスタキサンチンは他にも、持久力アップや疲労対策に関する研究結果もあるから、それも 是非見てみてください。