疲労対策の相談
今日の相談は、毎日力仕事をこなす肉体派・たろうさんの、疲労対策についてです。
ぼくは引っ越し屋で働いているので、毎日重い荷物を運んだり、そのためのトレーニングをしています。しかしその日の仕事量によってはオーバーワーク気味になってしまい、力が入らず大変な思いをする時があります。そんな時は栄養ドリンク剤を飲んだりもするのですが、正直実感としてはあんまり……。
疲労対策には、疲れを取り除くことももちろん大切ですが、もっとも重要なのは、そもそも疲労をつくらない、溜めないという”予防”です。
なるほど。確かに疲労を溜めなければ、回復に苦労する必要はないですよね。
疲労の予防には、アスタキサンチンの抗酸化作用が力になれるかもしれません。
ぜひくわしく聞きたいです。
わかりました。それでは疲労と抗酸化の関係について、一緒にみていきましょう。
そもそも疲労とは?疲れた筋肉はどうなっているの?
最近の研究で、疲労の正体は「活性酸素」によって酸化された「過酸化脂質」であることがわかってきました。まずはこちらの写真をご覧ください。
この写真は、アスタキサンチンを摂取してから運動したマウスと、摂取せずに運動したマウスのふくらはぎの筋肉の断面の比較です。アスタキサンチンを摂取せずに運動をした筋肉は、所々黒くなっているのがわかりますか?これは、活性酸素による細胞へのストレスが原因で生まれる「過酸化脂質」が発生しているためなのです。もちろん、これは筋肉が損傷している状態です。この状態が筋肉で起こることで結果的に疲労を感じるのです。
アスタキサンチンを摂取した方は黒くなっていないですね!
そのとおり。この「過酸化脂質」は細胞が酸化することによってつくられるので、アスタキサンチンの抗酸化作用が働いて、「過酸化脂質」の発生が抑えられている、ということが言えます。 腕や脚の筋肉であれば休息を摂ることで回復しますが、心筋(心臓の筋肉)など、自分の意志で休めることができない筋肉が疲労してしまったら大変ですね。
こちらが、同じ研究の心筋の断面図です。
心筋もアスタキサンチンの摂取によって過酸化脂質の発生が抑えられていますね!
アスタキサンチンの抗酸化作用で、体中の筋肉を疲労の状態から防いでいることがわかります。 実際に、スポーツ選手の筋肉の損傷を抑制したという試験結果もご紹介しましょう
セルビアのサッカーチーム「パルチザン」(ユース世代で全国優勝したチーム)のユース選手34名を2グループに分け、それぞれアスタキサンチンカプセルとプラセボカプセルを90日間摂取してもらいました。摂取前後に血液中のクレアチンキナーゼ(CK値)活性を測定したところ、アスタキサンチンを摂取したグループでは摂取前に比べて50%低下したのに対し、プラセボカプセルを摂取したグループは25%低下にとどまりました。
CK値は、筋肉の損傷を示す血液中の指標です。トレーニングをすることによって筋肉は鍛えられるので、プラセボカプセルを摂取するだけでもCK値はある程度低下するのですが、アスタキサンチンを摂取するとさらに損傷が抑えられるということですね。
筋肉の損傷を抑えることが、疲労を溜めないということなんですね。
筋肉疲労の原因物質「乳酸」をつくりにくくする
筋肉疲労の原因物質といわれている乳酸についても、面白い研究結果が得られています。 大学陸上競技部に所属する長距離ランナー16名を2グループに分け、それぞれアスタキサンチンカプセル(6mg/日)とプラセボカプセルを4週間摂取してもらいました。摂取前後に、全員に5000m走の自己記録と同じスピードで1200mを走らせた2分後の血中乳酸濃度を測りました。 すると、アスタキサンチンを摂取したグループは摂取前に比べて血中乳酸濃度が有意に低下していましたが、プラセボカプセルを飲んだグループの前後に差はありませんでした。
アスタキサンチンは乳酸も抑えられるのですね!
そうなんです。筋肉疲労の原因物質である乳酸が抑えることで、疲労が起こりにくいと言えるのです。
たろうさん、いかがでしたか?疲労対策で重要なのは、疲労を溜めないこと、というお話をしましたが、アスタキサンチンは疲労の根本に働きかけることで、疲労物質をつくりにくくしてくれる可能性があるのです。
いやー、とても勉強になりました!これからは、トレーニングや仕事の際はアスタキサンチンを摂るようにしてみます。
力仕事は大変だと思いますが、お仕事がんばってください。
アスリートのみなさんや力仕事をされる方にとって、筋力トレーニングとおなじくらい重要な「持久力向上」についても、アスタキサンチンの抗酸化作用を研究したデータがありますので、興味のある方はぜひ見ていってくださいね。